IVIプラットフォーム・コンポーネントとは
第四次産業革命の波が製造業のデジタル化を加速し、世界の情勢はスマート製造(デジタル技術を活用したものづくり)へと大きくシフトしつつあります。ドイツが提唱したこのコンセプトは、参照アーキテクチャーとして広く知られるようになりました。そして、ここ数年は、こうしたコンセプトをいかに現実のシステムとして実装するかという議論に移っています。
従来のシステム開発と、第四次産業革命後のシステム開発の大きな違いは、プラットフォームの存在です。つまり、システムは、システム単独で機能を完結することはできなくなり、他のシステムと有機的につながってはじめてその機能を十分に発揮することができる環境の中で、つなげるためのしくみとしてのプラットフォームの存在がきわめて重要となりました。
IVIプラットフォームは、ものづくりに関する異なるシステムをつなげるためのプラットフォームが最低限もつべき機能を整理するための参照モデルです。また、IVIプラットフォームは、既存のさまざまなプラットフォームが、よりオープンな形で開発されており、その構成要素となるコンポーネントにとってつながりやすいものであるかを示す基準でもあります。
IVIコンポーネントは、IVIプラットフォームの構成要素であり、ひとつの独立したシステムです。IVIコンポーネントとしては、一般的な業務“アプリ”として業務機能の一部を代替するものの他に、生産現場において実際に生産の一部を行う“デバイス”や、それらの機能を補助または保管するための“ツール”、そしてプラットフォームとしてデータをこれらシステム間で伝送、蓄積、保管、検索などを担う“インフラ”があります。
IVIプラットフォーム・コンポーネントの3つ特徴
-ものづくりが主役-
ものづくりを実践する企業にとっての価値を最大化することを第一の目的とします。
ものづくり企業のものづくり企業によりものづくり企業のためのプラットフォームとして、コストを抑え、効果を最大化することで、結果としてIT企業にとっても大きなメリットがあるしくみとします。
-オープンなエコシステム-
構成するコンポーネントについて、オープンな仕様にもとづくエコシステムとします。
個別の機能を提供するコンポーネントとして、顧客の要望によって、その都度異なるプラットフォーム上で稼働できる環境を作ります。これにより、プラットフォームの側は、より多くのすぐれたコンポーネントを集めるためにさらにつなげる機能が向上していくことを狙っています。
-知財としてのデータ管理-
企業データの所有者は企業自身とし、ボトムアップなしくみづくりを可能とします。
プラットフォームで扱うデータは、一義的にはものづくり企業のものです。IVIプラットフォームでは、原則として製造業のエッジ側で得られたデータに関する権利は、その製造業が保持するものとし、ものづくりの技術やノウハウの健全な取引を支援します。
IVIプラットフォーム2020
IVIコンポーネントがデータを介して相互に接続することを目的として、統一的に定義された手順やツールが提供され、複数の事業者が利用可能であるしくみを指します。IVIプラットフォームとはインフラ、アプリ、デバイス、ツール といった複数のコンポーネントによって構成され、それらの ハードウェアおよびソフトウェアを相互に連携させることで価値を提供するしくみです。
IVIコンポーネント2020
IVIコンポーネントとは、IVIMに準拠したメタモデルによって定義されたソフトウェアおよびハードウェアからなり、つながるものづくりを構成するために提供された製品またはサービスを指します。認定されたIVIコンポーネントは、日本政府が提唱するコネクテッドインダストリーズを具現化する取り組みである製造プラットフォームオープン連携フレームワーク(CIOF)に準拠することで、必要なデータを異なるシステム、異なるサイト間で流通させることが可能となり、それらを利用する製造業ユーザーにとっての大きな価値を提供します。